
プノンペンの北西約240kmにあるアンコールの遺跡群は、9世紀初頭から約600年間カンボジアを支配したアンコール朝の建造物です。大小700に及ぶ遺跡は、自然の侵食や戦禍により荒廃し、崩壊の危機にある現在、国際支援による保存、修復が急がれています。


「お寺の町」を意味するアンコールワット。「アジアの至宝」と呼ばれ、東西約1.5km、南北約1.3kmの環濠に囲まれた、幅約190m、長さ約600mもある大規模な寺院。一説にはヒンドゥー教の三大神ヴィシュヌ神に捧げるために建造されたといわれていますが、西が「死」を意味する方角であり、この寺院も西向きに建てられているため、王自身の墳墓として造られたとの説もあります。


「大きな町」を意味するアンコールトム。クメール時代最大の都城であったとされています。5つの門を持つ都城には王宮跡、寺院、テラスなどがあり、「クメールの微笑み」で知られる石塔に刻まれた四面仏顔像が有名です。南大門前の橋には、大蛇の胴体で綱引きをする阿修羅像とヒンドゥー教の神々の像が並んでいます。


「東洋のモナ・リザ」と称されるデヴァター(女神)像が有名なヒンドゥー教寺院。小さな寺院ですが、建物の壁を飾る優美な浮き彫りや彫刻はアンコール美術の白眉と評されています。


ジャヤヴァルマン7世が亡き母の菩提を弔うために建てた寺院。発見当時のまま保存されているため、遺跡を覆う大樹の気根が悠久の時を感じさせてくれます。

貯水池の中心部に浮かぶように建設された寺院(現在は涸れています)。二重の周壁で囲まれ、周壁と周壁の間には各種の付属建築が建ち並んでいます。
76mの正方形の寺院には108本の小祠堂が建ち、中央に大きめの祠堂があります。プノンクロム、プノンボックとともにアンコール3聖山のひとつとされています。夕日観賞ポイントとして知られています。

「聖なる剣」を意味するプリアカン。父の菩提寺として祭ったとされています。珍しい円柱造りの二階建て建造物が残っています。

三層基壇の重なるピラミッド型寺院で、最上段には五基の塔を備えています。東門から入ると広場に石棺が置かれていて、ここで死者を荼毘に付し、寺院北東部にある小さな祠堂で灰を流したとされています。夕日観賞ポイントとして知られています。

カンボジア中央に位置する湖。「伸縮する湖」といわれ、乾季と雨季の湖の面積が約3倍は異なります。古来より漁業が盛んで、淡水魚の種類が多いといわれています。

ロリュオス遺跡群の中では最古の遺跡。「聖なる牛」を意味していて、シヴァ神の乗り物とされるナンディン牛の像が祠堂正面に三体並び、神が堂から出て来るのを待っています。

当時は大貯水池の中央の小島に建設されていました(現在は涸れています)。インドラヴァルマン一世をはじめ祖先を祀った寺院。現在は保存状態が悪いですが、デバターが残っています。

ハリハラーラヤ王都の中心寺院で、アンコール時代初のピラミッド型寺院。「戦いに臨む阿修羅」のレリーフが残っていて、当時は階層を囲むように壁画が彫られていたと考えられています。